防音室といっても、本格的な建築工事を伴うリフォーム型の防音室から、お手軽にAmazon等で購入できる防音室まで、様々なモデルがあります。
今回はこれから防音室の導入を検討されている方に向け、後悔しないための防音室の選び方を徹底解説します。
防音室は大きく分けて3種類
例 | 防音性能 | 価格 | サイズ | その他特徴 | |
---|---|---|---|---|---|
リフォーム・据置き型 | / | DR40〜 | 300万円〜800万円 | 任意のサイズ | 部屋全体をリフォームし取り付けるため、引越し時には持ち出せない。 オーダーメイドのため、設計の自由度が高い。 また自己所有物件でないと導入は難しい。 |
ユニット型 | アビテックス ナサール | DR30〜DR50 | 40万円〜200万円 | 0.8畳〜4.3畳 | 解体・再組立が可能なので、引越しや防音室単体での売却も可能。 |
簡易型 | だんぼっち OTODASU | DR15〜 | 15万円〜35万円 | 0.6畳〜1.4畳 | ユニット型同様、解体・再組立が可能で、引越しや単体の売却が可能。 |
防音室には大きく分けて上記の3タイプが流通しています。上から順に、より防音性能が高く、より価格も高くなりやすいです。
防音室の早見診断
基本的な防音室の選び方 | |
---|---|
将来引越す可能性がある | →『ユニット型』or『簡易型』がおすすめ |
DR55以上の高度な防音環境が欲しい | →『リフォーム型』がおすすめ |
とにかく安価に間仕切りを作りたい | →『簡易型』がおすすめ |
楽器やゲームなどでコスパ高く防音したい | →『ユニット型』がおすすめ |
リフォーム・据置き型

ユニット型

簡易型

防音室選びの軸は4種類
①将来的に移設・売却したいか
移設・再組立 | 売却 | |
---|---|---|
リフォーム・据置き型 | × | △ (単体での売却はできない) |
ユニット型 | ○ | ○ |
簡易型 | ○ | ○ |
リフォーム・据え置き型の防音室は既存の建物をリフォームし防音室を作るため、一度作ると移設や防音室単体での売却ができません。
一方でユニット型および簡易型防音室については、一度設置した後でも解体・再組立が可能なため、移設や単体での売却が可能です。
そのため特に今後引っ越す予定がある方は、フレキシブルに対応できるユニット型もしくは簡易型防音室がオススメです。
②どこまでの防音性能を求めるか
防音・遮音性能 | |
---|---|
リフォーム・据置き型 | DR40〜 |
ユニット型 | DR35〜DR50 |
簡易型 | DR15〜 |
防音室を導入する目的によって、必要となる防音性能も変わってきます。当然ですが、どれだけ大きい音を、どれだけ小さくしたいか、によって必要な性能が異なります。
以下に作業内容ごとの音量について、および防音後の環境音量の目安について記載しています。
例えば、深夜にゲームのボイスチャットをした時に、家の中は図書館内レベルの静かさまで音量を下げたい場合『80DB – 40DB = 40DB』で、Dr40クラスの防音設備を導入するのが好ましいということになります。
どれだけの音を出している?
音源 | 音量 |
---|---|
ゲーム中の通話音量 | 60〜75DB |
配信者の発声 | 65〜80DB |
ボーカル | 70DB〜90DB |
ピアノ | 80DB〜110DB |
ドラム | 90DB〜130DB |
トロンボーン | 90DB〜120DB |
サックス | 70DB〜100DB |
どこまで音量を下げる?
防音後の音量 | どのような環境か(参考音) |
---|---|
80DB | とてもうるさい。 (パチンコ店や滝の近くなど) |
70DB | かなりうるさく、大声でも会話が難しい。 (電車の車内や、やかんの沸騰音など) |
60DB | うるさく、大声を出せば会話が成立する。 (乗用車の車内や、掃除機の隣など) |
50DB | うるさいが、普通に会話はできる。 (換気扇や室外機の隣など) |
40DB | 環境音は聞こえるが、会話に支障がない。 (図書館内や昼間の住宅街など。) |
30DB | 非常に小さく環境音が聞こえる。 (郊外の住宅街、囁き声など。) |

一般的に50DBを超えると『騒音』とされる水準となるので、ここを基準に決めるのもよいでしょう。
③どのくらいの広さが必要か
サイズ | 備考 | |
---|---|---|
リフォーム・据置き型 | オーダーメイド | 畳数や形状など、自由に設計が可能。 |
ユニット型 | 0.8畳〜4.3畳 | 基本的に既存サイズから選ぶ形。 |
簡易型 | 0.6畳〜1.4畳 | 基本的に既存サイズから選ぶ形。 |
サイズに関しても大きな違いとして、リフォーム・据え置き型は自由に決められるのに対し、ユニット型および防音室は基本的に既存モデルのサイズから選ぶ形になります。
年代・モデルによっては以下サイズ以外のモデルもありますが、主要に作られているサイズは以下の通りです。
ユニット型・簡易型のサイズ一覧
タイプ | サイズ |
---|---|
ユニット型 | 0.8畳 1.2畳 1.5畳 2.0畳 2.5畳 3.0畳 3.5畳 3.7畳 4.3畳 |
簡易型 | 0.57畳 0.78畳 1.63畳 |
利用用途と推奨サイズ
利用用途 | 推奨サイズ |
---|---|
ゲーム環境 | 1.5畳以上 |
グランドピアノ (3クラス) | 3畳以上 |
ドラム | 3畳以上 |
トロンボーン | 1.2畳以上 |
それぞれ利用目的に応じた推奨サイズをまとめました。実際の導入時は正確な寸法の確認および、重量物に関しては搬入時の工事スケジュール対応等が発生するため、移設業者と調整が必要になることが多いです。
④予算からきめる
価格帯 | |
---|---|
リフォーム・据置き型 | 300万円〜800万円 |
ユニット型 | 40万円〜200万円 |
簡易型 | 15万円〜35万円 |
費用に関しては、オーダーメイド型となるリフォーム・据置き型が最も高く、簡易型が最も安価に導入が可能です。
ユニット型については中古品が多く流通しているので、簡易型に近い金額で導入できるものもあります。

防音性能についても、構造上300kg程度あるユニット型の方が、数十キロ前後の簡易型と比べ断然に高いです。コスパよく防音環境を導入したい方は中古のユニット型がオススメです。
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