2階に防音室を置きたい!注意点と確認方法

アーティクル

アビテックスやナサールなど、防音室を2階以上に設置しようと悩まれている方に向け、今回の記事では設置時の注意点について解説します。

ユニット型防音室は非常に重量のある設備のため、物件や条件においては設置ができないケースもあります。これから設置を予定されている方はぜひ参考にしてみてください。

防音室を2階に置く際の基本的な考え方

1.2畳モデルのアビテックス セフィーネ2。本体重量は347kg。

防音室を置けるか、置けないかの基本的な判断については『設置予定の防音室の合計重量が、建物の平米当たりの設計耐久重量を超えないか』という観点から判断することになります。

日本の建築物は、全て建築基準法に則り設計・建築されています。同法では建物が安全に利用できるよう、様々な制限が設けられていますが、その中で『住宅建物において、常に置かれても耐えられる平米あたりの重量』が定義されています。

一般住宅では、1平米当たり180kgまでの荷重については耐えられるように設計がされています。

実際のシュミレーション

設置する物の合計重量を計算しましょう。防音室の本体重量に加えて、防音室内に設置する物の重量も考慮する必要があるので注意が必要です。

編集長 前村
編集長 前村

防音室のサイズ表記は畳数表記なので、平米への変換を忘れないようにしましょう。

【事例1】1.5畳の防音室にエアコン、机、椅子を設置する場合

防音室本体(1.5畳)375kg
エアコン室内機16kg
15kg
椅子15kg
合計重量421kg
平米あたりの重量154kg/㎡

→合計平米荷重が制限ライン180kg/㎡を下回る(クリア)

【事例②】4.3畳の防音室にエアコン、グランドピアノ、椅子を設置する場合

防音室本体(4.3畳)742kg
エアコン室内機16kg
グランドピアノ(3クラス)320kg
椅子15kg
合計重量1,093kg
平米あたりの重量139kg/㎡

→合計平米荷重が制限ライン180kg/㎡を下回る(クリア)

【事例③】0.8畳の防音室にスポットクーラー、デスク、椅子、本棚を設置する場合

防音室本体(0.8畳)273kg
エアコン室内機20kg
本棚30kg
15kg
椅子15kg
合計重量353kg
平米あたりの重量243kg/㎡

→合計平米荷重が制限ライン180kg/㎡を上回る(重量オーバー)

平米荷重の考え方と注意点

上記では防音室を2階に置く場合の基本的な考え方を解説しました。一般的な利用方法であれば平米荷重が180kg/㎡を超えることは少なく、設置が可能な事例が多いですが、あくまで上記は原理原則です。

以下のような場合では、原則とは異なる判断が必要となる可能性があります。

180kg以上でも設置ができる可能性があるパターン①鉄コン造など、そもそも設計時点での許容平米荷重が180kg以上ある場合
180kg以下でも設置が難しい可能性があるパターン①建築基準法不適合の建物や、法改正前に作られた古い建物
②築古の木造など、設計時点での耐荷重性能が失われている可能性のある建物

上記のように例外パターンも存在するため、耐荷重制限に近い重量での導入を検討されている方は、施工業者や建築関係者に前もって確認されるのがオススメです。

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著者情報

中古防音室JP代表 前村孟

中古防音室JP代表(公安委員会60107R070043号)。防音室に関する中古防音室JP公式YouTubeチャンネル運営。サウンドソムリエ2級(登録番号2-JP000183)。

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